環境委員会(一般質問)

4月25日(金)環境委員会
この日は15分間の一般質問の機会をいただきました。改めまして、各党と折衝してくださっている国対委員長の鈴木議員をはじめ、環境委員会理事のみなさま、議席を託してくださったみなさまに感謝申し上げたいと思います。
さて、みなさまはアニマルウェルフェアという考え方をご存じでしょうか。日本語訳すると動物福祉となりますが、現在世界各国で主流となっている動物に対する考え方になります。端的に申し上げますと、主に畜産動物の尊厳を保護しようというもので、民間団体によりその普及啓発が行われております。
近代におけるアニマルウェルフェアは19世紀ころのイギリスにおいて世界初の動物虐待禁止法「マーティンズ法」に始まったものとみられます。時代と共に広がりをみせ、1978年にユネスコが「動物の権利に関する世界宣言」を採択し、その後各国で畜産における動物福祉基準が強化されて行きました。現在、EUではケージフリーが一般的となっているものの、日本の法制度ではケージ飼いや、屠畜方法についての規制がなく、対応の遅れが問題視されております。
これについて私個人としては、たしかに日本も国際基準に合わせていく必要があるということを少なからず感じています。なぜなら現在主流の飼養方法、と殺方法が倫理的に受け入れがたいということもありますが、食の安全の観点からもなるべく自然に近い形で育ったものを口にしたいからです。
一次産業の振興、食糧安全保障とのバランスをとりながらも薬になるべく頼らずに自然に近い形で飼養しようとしている業者に対しては積極的な支援をするべきであると考えます。
食の安全の観点からこうした取り組みが進むことについては良しとしながらも、一方で、西洋的な思想までもが日本に迫ってきている状況には疑問を感じております。もともと日本人は動物に対して畏敬の念をいだいて共生してきた民族です。ですから、動物を管理の対象、人間の従属物としていた西洋的な考えの反省を日本に押し付けるようなことには違和感を感じます。
ここで平成18年第17回中央環境審議会における動物愛護指針策定に向けた資料についてご紹介します。
資料 動物愛護管理基本指針(仮称)の骨子案
このなかで西洋と東洋の動物観の違いについてまとめられています。

このように日本人は動物は輪廻転生の対象として魂のあるものであると捉えています。また、仏教でも殺生を禁じておりましたし、八百万すべてのものに神が宿るという文化が根付いております。そうした多くの日本人が有する価値観を尊重しないまま議論が進んでいくことに違和感を感じるのです。動物愛護指針の策定段階ではこうした発言をする役人の方がいらっしゃいましたが、残念ながら現在ではそうした価値観が尊重された指針になっていない現状があります。
動物に対しての価値観は変化するもの、多様であるもの、そういった一見すると耳障りのいいように聞こえる表現と共に日本人の伝統的な価値観が薄れていってしまっていると感じるのです。
日本人は西洋の考え方が正しい、白人の方が偉いと考えてしまいがちですが果たしてそうでしょうか。私たち参政党は先人たちが築き上げてきた素晴らしい文化や価値観にこそ、これからの時代を生きていく叡智が結集していると考えております。
アニマルウェルフェアだけではありません、SDGsもそうです。新しい価値観がすべて正しいと鵜呑みにするのではなく、長期的、歴史的な観点も取り入れて何が本当に正しいのか、見極めていきたいと考えております。
2025年6月12日追記
NPO法人アニマルライツセンター様のHP上で委員会での内容を記事にしていただきました。