環境委員会(鳥獣保護法改正について)

第217回通常国会 4月8日環境委員会
今回の質疑は鳥獣保護法改正についてでした。
この改正は人の日常生活圏に出没したクマやイノシシを危険鳥獣として本来銃猟ができない区域での発砲を可能にしようとするものです。
今までは警察官が危険と判断し発砲するためには警職法に則り、現に危険が及んでいる状態でなければ発砲できませんでした。それを建物に立てこもっている状態や人の日常生活圏を徘徊しているクマに対してでも発砲できるようになります。
動物の命よりも人の命の方が重いと考える現代社会においては、危険な動物であるから発砲するという論理は理解できなくありません。しかし、環境省として次の世代に生物多様性や豊かな自然生態系の保全を訴え、旗を振っていくのであれば、まずは捕殺に頼らない取り組みに全力を尽くすことが筋ではないか、ということを訴えさせていただきました。
また、「危険鳥獣」という名称は、命あるものへの慈しみ、配慮に欠けると考えております。
そして環境省としては野生動物はペットと違い共生するものではなくあくまですみ分けるべき存在だと明確に証言しておりました。
日本人は元来、八百万の神という考え方があるように動物たちを敬い、神聖なものとして扱う文化がありました。また、動物たちも人間と同じように命あるものとして輪廻の対象であり、殺生をしてはならないという仏教の教えもあります。
ですから、動物の地位を下にみて管理の対象としようとする西洋的な価値観は日本人本来の意識とは合わず、私としても違和感を感じる部分でもあります。
そうした人間の傲りを捨てない限り、クマと人間の問題は永遠に解決しないだろうというのが私の考えです。
次の1000年2000年先も人間と自然が調和した社会を実現するためにはそれを担う子供たちの環境教育、倫理観や道徳心をはぐくむ教育が重要です。
自分の命を含めてあらゆる命を大切にする心を養っていけるよう、政府はその指針を示すべき存在であっていただきたいと思います。